旧・新潟師範学校記念館は、昭和4年(1929)に、創立50周年を記念する建物として、同校の敷地内に建てられた。閑静な松林のなかにあり、1階を児童教育のための陳列室、2階を集会室としていた。2階や屋上からは旧市街を一望できた。
 近隣の新津記念館(昭和13年建築)と同様、東京の建築総合請負会社・清水組(現・清水建設)の設計施工である。正面は間口9m、高さ9mの正方形、現存奥行き14.4mの総2階建てで、単純な直方体の形状をしている。1階腰に人造石を回し、その上部をスクラッチタイルとしている。柱型をあらわし、窓割りを縦長とし、上昇性と左右対称性を強調する。昭和初期に流行したネオ・ゴシック様式の特徴を伝えている。
 現存部は当時最先端の鉄筋コンクリート造によりつくられている。元々この現存部分の背後に木造和風の建物の付く和洋折衷の建築であった。その後、木造部分は老朽化により取り壊された。しかし、新潟市域において現存する最古級の鉄筋コンクリート造建物としての建築的な価値を認められ、旧・新潟師範学校記念館は、2005年に国の登録有形文化財となった。
※図は当時の設計図による。
名 称 新潟大学あさひまち展示館
住 所 新潟市中央区
 旭町通2番町746
エリア 西大畑
ポイント ―――
現用途 文化施設
築 年 昭和4年
構 造 鉄筋コンクリート造2階建て
文化財指定等 平成17年に国登録有形文化財
備 考 当初は旧制新潟師範学校の児童博物館でした。昭和初期に流行したネオ・ゴシック様式で、外壁に人造石やスクラッチタイルを使用。市内でも最古級の鉄筋コンクリート造です。
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