2011. 8. 23 vol. 15
部材を移転する現場
5月14日(土)、新潟市歴史博物館で平成23年度総会を開催しました。前年度の事業報告・会計報告と本年度の事業案・予算案は、ともに承認をいただきました。 総会のあと、当会で保管している町屋部材の報告会を行ないました。大倉代表が、10年近く前の、移転前のギャラリー新潟絵屋の近所にあった町屋の住人との出会いから、外見からは分からない奥深い町屋の魅力に魅せられたこと、その町屋も広小路の拡張にともない取り壊されそうになったこと、町屋の移転再建を目指す活動を始めた経緯などを、撮りためた写真を見せながら説明しました。 スクリーンには町屋の公開イベントの様子、取り壊しの作業を追った一連の写真が映し出されました。広小路拡張前のまちなみに懐かしさを感じられた方も少なくなかったのではないでしょうか。 続いて岡崎副代表が新潟の町屋についてレクチャーを行ない、それから旧小澤邸に向かいました。新潟市のご好意で、公開に先立って特別に見学させてもらったものです。 改修前の小澤邸を拝見したことのある世話人は、耐震工事の、金属の柱と筋交いを部屋のあちこちに取り付けるやり方に強い違和感を感じています。 とはいえ、近代初めの新潟の町屋を代表する堂々たる建物です。凝った意匠のほどこされたお座敷に立つと湊町の繁栄がしのばれます。(千早和子)
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今回初のこの講座は、新潟が誇る財産である「ふるまち新潟をどり」を、より深く楽しむために企画しました。 日本舞踊市山流家元の市山七十世(いちやま なそよ)さんから、実際の扇や小鼓を用いながら、鑑賞の壺を教えていただきました。私も花街の舞踊公演である「をどり」の歴史などについて、お話しさせていただきました。 若手芸妓の雪江さん、ほのかさんもご参加くださり、和やかかつ華やかな雰囲気で、12名の受講者の方々にも好評だったようです。 新潟をどり当日は、例年より多くの観客が集まり、当会の企画も貢献していると評価していただいたのは、望外の喜びです。講座は来年も実施予定ですので、ぜひご参加ください。(岡崎篤行)
6月から二人世話人が増えました。
(写真左から) 移築支援運動の一環として開催したイベントのちらし。/在りし日の町屋の座敷。/床の間と書院。
本会と花街のまちづくりで交流のある東京神楽坂のNPO法人粋なまちづくり倶楽部では、東京大学などと協力して、神楽坂界隈にある戦後建築の実測調査を行い、5件の登録有形文化財の登録を行ったそうです。 国の制度では、建築後50年を経過したものは、登録有形文化財の対象とされていますので、戦後の建築であっても昭和30年代前半までは、その射程に入ってきているのです。 空襲により戦前建築を焼失した神楽坂では、戦災からの復興のなかで昭和20年代に再建された料亭や住宅が、現在、マスコミにもよく取り上げられる趣のある空間の重要な要素となっています。それを何とか残そうと取り組んでいるのです。 幸い戦災を受けなかった新潟では、下町の町家、古町花街の料亭・茶屋・元置屋の建物、西大畑から関屋松波町にかけての洋館付き住宅、水道町の旧市営住宅など、戦前の建築がたくさん残っていますので、それらをどのように活用しながら継承していくかが、まずは大きな課題になっています。 一方で、「昭和」という時代が歴史になりつつある昨今、戦後の建築にも目を向けて、まち遺産として残す努力を始めなくてはいけない気もしています。残したい戦後の建築、皆さんの周りにありませんか?(今村洋一)
本町通り12番町にあった木造3階建ての丸洋商店。右は2000年に同じ場所を撮影したもので、駐車場になっています。
あまりの暑さに、しもまちマップの調査もままなりません。現地調査は涼しくなってから本格始動します。 * 毎月第2火曜日の6時から、市民活動支援センター(西堀)でマップ会議と世話人会を開き、会の活動について話し合っています。お気軽にご参加ください。日時は変更する場合がありますので、事務局にご連絡ください。
新潟まち遺産の会事務局 〒951-8066 新潟市中央区東堀前通1-353(伊藤純一アトリエ内)
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