2012. 1. 24 vol. 16
旧齋藤家別邸は今年の6 月の一般公開に向けて改修工事中です。 10月30日(日)に開催された旧齋藤家別邸工事見学会に参加してきました。3回開催、各会20名程度で、私は最終会午後3時からの会に参加しました。 まずは奥座敷の工事現場からで、そこでは壁下地が貫工法に筋交いを併用するといった、当時にしては耐震に留意した点が見受けられました。次に玄関脇水屋が解体によりかつて応接間であったことがわかり、その他生活空間であった座敷、台所が幾度となく改修された事実もわかりました。工事により往時の姿が改めて感じられました。(伊藤純一)
(上)壁に入った筋交い。
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小須戸町並み景観まちづくり研究会は2007 年に活動を開始し、徐々に活動の幅を広げてきました。主な活動としては、まち歩きの開催や空き店舗の町屋「薩摩屋」の改修、先進地視察、小・中学校の地域学習のサポート等が挙げられます。 活動の成果として、まち歩きでの来訪者や地元の子供たちなど、地域内外で町並みの価値が知られ始めているように思います。また、住民間で新潟市の「なじらね協定」を利用した景観整備の準備が進められており、来年度には3棟の商店で町並みに合わせた外観への改装を予定しています。 一方で、一昨年の大規模火災を受けて、跡地の再生を含めた地域の課題について議論することを目指したワークショップ等の取り組みを進めました。しかし、地元の反応はそれほどなく、跡地を巡る取り組みは停滞しています。 研究会ではその後も、町並みの火災と復興、防災の事例に関する発表会や、コミ協の防災部会との協議等を行ない、地域の将来と町並みの今後、防災の充実と跡地の復興を繋げて議論すべく、模索してきました。こうした活動の成果か、新潟市では来年度から「小須戸防災まちづくり事業」を行なう計画で、行政が町並みの防災に向け動き始めるようです。 また、来年度は「水と土の芸術祭」も開催され、研究会でもイベントを企画しています。今後、行政や商店街等とより一層の連携を図り、町並みの保全に向けた住民意識の啓発や、防災面の充実に向けて取り組んでいきたいと考えています。(小須戸町並み景観まちづくり研究会・石田高浩)
横浜にある国指定名勝の三渓園は、御存知の会員も多いと思います。17万5千m2(約5万3千坪、17町歩)の敷地に、重要文化財10棟を含む歴史的建造物が点在した庭園公園です。 生糸で財をなした原善三郎と原三渓の2代で作られ、1906(明治39)年に公開されました。現在は横浜市に寄贈され、財団法人三渓園保勝会の管理となっています。 三渓園は春秋の花も有名です。冬はそうした華やかなものは見られませんが、空気が透明で植樹の葉も落ちて、建物を見るのに向いています。20年か30年ぶりに訪れたら、新たに移築された仏殿もあり、可愛い野良猫たちと相まって、寒い中を訪れたかいがありました。 かつての大富豪が残した文化遺産。最近出版された志村和次郎の『富豪への道と美術コレクション』(ゆまに書房)は、美術品コレクションを中心にその事例を集めています。新潟でも豪農・豪商といわれた人々の残したものをどう守り伝えていくか、三渓園を巡りながら、課題の多さに改めて思いを馳せました。 三渓園ホームページ http://www.sankeien.or.jp/
赤坂町3丁目の観音堂。縁日には夜店、屋台が並び賑やかでした。堂裏に掲げられた地獄極楽絵図は子どもたちの好奇心と恐怖の的でした。
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