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2004. 9. 14 vol. 1 

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野内隆裕 撮影 
 

新潟まち遺産の会発足会を開きました

 6月26日、新潟市歴史博物館の旧第四銀行住吉町支店2階会議室を会場に、新潟まち遺産の会の発足会が、33名の参加者で開かれました。
 最初に発会に至るまでの経緯として、会場となった第四銀行住吉町支店の現地保存運動と東厩島町の町屋の移築支援運動についての報告があり、今後はより幅広い視点での歴史的建造物をはじめとする「まち遺産」への啓発活動が必要との考えから、会員制による組織としての会が発足することになったと説明。ついで将来的にNPO法人化を前提とした定款、発会当初の組織について説明がありました。
 また初年度の活動として、会が所有する町屋の解体部材の有効活用に向けて、行政等の助力の依頼、秋の公開講座、町屋を生かした店舗マップの作成などを予定していること、次年度以降には登録文化財制度への理解の促進と、登録希望者への助言、援助などをも考えていきたいことなどが報告され、初年度の世話人が紹介されました。
 最後に会の副代表の岡崎篤行新潟大助教授による「新潟のまち遺産と今後の展望」と題する講演がありました。下町地区に町屋などの歴史的建造物が多数残ること、近年の研究が明らかにした新潟町屋の特徴、他地域に残るまち遺産、それらを生かしたまちづくりの可能性などについて、映像を交えた分かりやすい話が好評でした。
 発会式の後には同じ建物の一階のレストランを会場に、懇親会が開かれ、今後の活動について活発に意見が交わされました。(大倉宏)


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伊藤純一アトリエ
新潟市東堀前通1

 

町屋を見に来る人たち

 先日小学六年の生徒さんから、総合学習のレポートを作成したいので取材させて下さいとの申し入れがあり、お会いしました。「和」というカテゴリーの中で町屋や古民家といったテーマで研究すると聞き驚きながらもうれしい気持で一杯になりました。
 その生徒さんとは私のアトリエにてお話しさせてもらったのですが、古い町屋を改修した私のアトリエを見て「私もこんなところに住みたい」と言ったことには驚きでした。私の小さい頃は、住んでいた純和風の家よりよそさまの洋風住宅にあこがれていたものですから、その後今度は高校生から取材のお話がありました。大学受験のレポートで、古い町屋をギャラリーにした「新潟絵屋」の事をまとめているとの事でした。
 最近の若い子は古いものに興味を持っているのか、それとも彼女たちが大人びているのか、いずれにせよそういった若い人の存在が「まち遺産の会」での明るいニュースになった事には違いありません。
 街には「まち遺産」の一つとして、古い建物を利用したショップもたくさんあります。そういった所を知ってもらい興味をもって意識してもらいたいと思い、まち遺産の会では「町屋ショップマップ(仮題)」を作るプロジェクトも動いています。
 まち遺産は市民の「古き良き物を大切にする」といった気持の大きさ多さで次世代に受け継がれる物です。
 まず古い物に興味を持ってもらい、そして大切にする気風になればいいなあと思っています。(伊藤純一)


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新潟絵屋
新潟市並木町
代表あいさつ

 6月29日に新潟まち遺産の会が、組織の形を持つ、市民団体として正式に発足しました。
 もとはと言えば、道路拡張で失われようとしていた一軒の町屋を、何とか残せないかという思いから出発した運動が、壁につきあたるなかで、生まれることになった組織です。団体とか、組織というものがあまり好きではなく、いつも個人として考え、行動したいと思ってきたわがまま者の私が、その組織の初代代表を務めるというのも不思議な気分ですが、あの町屋を残したい、という自分個人の思いを、思いや言葉だけにとどめず、現実にしようとしたとき、同じ思いを抱く個人の結びつきとしての運動、そして組織という形が、自分のそのわがままを貫くために必要なのだと実感されてきたのだと思います。
 町屋は解体されましたが、再建の道はこれから。「運動」を内部に宙づりにしたまま、組織がスタートするわけですが、運動と直接はつながりを持たないように見えることも、運動を一歩づつ前進させて行くための、大切な足がかりなのだと考え、さまざまな活動に地道に取り組んでいきたいと思います。今年度は副代表岡崎篤行さんによる公開講座、伊藤純一さん、高橋智之さんを中心とした町屋を生かした店舗マップ作成などを行います。
 古いことが、美しいこと、心地よいこと、満たされることの大切な一要素だという考えは、少しずつですが、新潟の町でも広がりつつあります。当会の活動が微力ながら、そういう意識の変化への後押しとなればと願います。
 会の活動へのさまざまなご意見や提案をお待ちしています。(大倉宏)


  町屋ショップマップ(仮題)作成中です
 新潟の下町を中心として、古い町屋を店舗などに活かしている物件を地図にするプロジェクトを始めました。
 これは、新大工学部の高橋智之さん(当会会員)の卒業研究での調査がベースになっています。町屋を活用している事例を広く知ってもらうことで、頑張っている人への支援にもなり、また、そういう動きが新潟でも広がっていくことに役立つよう願っています。
 当面、東は広小路、西は一番堀、南は上大川前通、北は東中通に囲まれたエリアを対象として収集中です。作業の経過は、近いうちに当会ホームページなどで公開していく予定です。

■■■■ 会員の皆様にお願い:
皆様が「まち遺産」だとお考えのものについて、当会まで情報をお寄せください。今回作業の地域だけでなく、広く新潟地域の情報をお待ちしております。
NEWS・短信
●村上の「町屋の人形さま巡り」誕生秘話が本に
著者の吉川美貴さんは、夫の真嗣さんと共に「町屋の人形さま巡り」などの、村上のまちおこしにご活躍中です。
『町屋と人形さまの町おこし―地域活性化成功の秘訣』
学芸出版社 1,600円+税

●登録文化財の税金が安くなります
登録文化財の優遇措置として、これまで家屋の固定資産税減免がありましたが、古い家屋の評価額は低いため、実質的にはメリットがありませんでした。しかし、相続税については、家屋・土地ともに、登録文化財は3割の評価額控除となりました。

●三芳悌吉展・佐藤清三郎展に協力
「三芳悌吉絵本原画展 新潟の原風景をさぐる」
2004年11月6日〜14日 みなとぴあ新潟歴史博物館にて
主催:堀割再生物語実行委員会、新潟市
協力:新潟まち遺産の会
 
「昭和10年代庶民の町・新潟を描く 佐藤清三郎遺作展」
2004年11月3日〜28日 旧日本銀行支店長宅にて
主催:新潟絵屋、新潟市
協力:新潟まち遺産の会、堀割再生物語実行委員会
  新潟まち遺産の会 入会案内
振込用紙で下記口座へお送り下さい。
振込先 郵便口座 記号番号
00550-2-75240 新潟まち遺産の会

発足会の報告と定款をお送りします。
なお会員(正会員・賛助会員)には今後、会報や当会主催の催し物の案内が送られます。

会費(年会費)正会員 3,000円
    個人賛助会員 1,000円
    法人賛助会員 10,000円

※正会員は総会に参加でき、議決権を有する会員です。
  世話人会に参加してみませんか

 当会を運営していく世話人は、会員ならどなたでも参加できます。お気軽にご参加ください。毎月第2火曜日午後6時30分から、新潟絵屋で開催しています。(変更になることがありますので、御確認ください)
 なお、現在の世話人は以下のとおりです。(五十音順)
 伊藤純一、上田浩子、大倉宏(代表)、岡崎篤行(副代表)、小川弘幸、越野泉、小林洋士、澤村明、高橋照子(事務局長)、千早和子、野内隆裕、長谷川順一、堀川久子、皆川袈裟雄、武藏靖之、村木薫

■ご意見をお寄せください
 当会の会報、活動は、会員の皆様に支えられております。ご感想、ご批判、ご意見を事務局までお寄せください。

■会員には特典があります
 当会では、見学会や講座などの開催、出版物の頒布などの活動を行っていきます。これらの参加や販売にあたって、当会の会員には優待価格の設定などの特典を設ける予定です。会員の皆様にご利用いただくだけでなく、お知り合いにPRしていただけますと幸甚に存じます。
■□■ 会報バックナンバー ■□■

vol. 2


新潟まち遺産の会事務局
〒951-8066 新潟市東堀前通1-353(伊藤純一アトリエ内)
Tel:025-228-2536 Fax:025-228-2537


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