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2006. 7. 14 vol. 6 

 「異人池・ドッペリ坂界隈」のマップが完成しました。5月27日(土)、年次総会のあと3 時頃から、このマップを持って西大畑界隈のまち歩きを行いました。
 砂丘館で、西大畑や旭町周辺の成り立ちと建物について、この界隈の古い建物の調査をした高月直也さんの説明を聞いて予習してから出発。総勢27 名でマップにある二つのルートを順番に回りました。
 東廻りルートは市長公舎の前の坂を一気に下り、大通りから小路へと、新旧の住宅のあいだを縫うように進みます。慣れないうちは見つけにくい戦前からの洋風住宅を一つ一つたどっていくと、行形亭やカトリック教会だけでなく、数々の個性あふれる個人の住宅がこの界隈の雰囲気をかもし出していることがよく分かりました。
 西廻りルートはかつての学校などの跡地が多く、昔の姿はとどめないのですが、知識があれば煉瓦塀などに歴史をうかがうことができるルートです。寄居村が開けたのは古く、この一帯最古の道もあります。また坂が多く、坂の上から町を見渡せる場所があったり、日本海タワーが見え隠れするなど、変化に富んだ風景も魅力の一つでした。
 あちこちで立ち止まって案内人の説明を聞きながら歩き、5時半過ぎに砂丘館に戻りました。参加者からは、住んでいたのに知らない通りがあったとか、以前との変貌ぶりに驚いたという感想が寄せられました。西大畑や旭町にこういう特色があることをご存じなかった方も多く、新潟の町の持つ多様な顔をまた一つ発見できたことがなによりの収穫でした。当会では、マップの作成やまち歩きを、これからも続けていきたいと考えています。
 引き続いて開いた懇親会には13名が出席し、まち歩きの話から、新潟のあちこちの町や地名の話題へと話は広がりました。帰りにはライトアップしている砂丘館の庭を見学して解散しました。(千早和子)


 まち遺産マップの第2号「異人池・ドッペリ坂界隈」マップが完成しました。販売価格は100円です。会員の皆さまには1 部お送りいたします。
 今回のマップでは、この界隈が開けていった様子がひと目で分かる変遷図をつけ、歩いただけでは分からない町の歴史が見えるように工夫を凝らしました。町屋マップでは町屋に注目したのに続き、今回は、明治末から昭和初期に建てられたハイカラな洋風住宅を取り上げました。旧副知事公舎も洋風住宅の一つです。
 販売以来、さまざまなご意見をいただいておりますが、地図や説明の間違いも指摘されました。資料にはできるかぎり当たっているのですが、調べきれなかった部分や間違いもあります。再販時には改訂しますので、お気づきの点があればご指摘ください。


2006年 4月25日 町並みネットワーク発足会(於:第3回新潟県観光カ リスマ会議)に参加。
2006年 5月07日 早川堀通りのつつじ祭りに参加、パネルなどを展示。
2006年 5月12日〜14日 小澤邸の庭園公開(入場者数5000人)で再生案 のパネルなどを展示。
2006年 6月04日 町屋の解体部材(聖籠町で保管)を点検。
2006年 6月10・11日 スローフード・スローライフ展に出展。


 総会席上でもお話ししましたが、昨年度は当会が所有する旧東厩島町の町屋部材の保管場所変更に伴う移設にかなり予算(会計報告の外注費の7 割)を使わせていただきました。この部材について、経緯をご説明したいと思います。
    *
 そもそも、当会の前身である「新潟の町屋を生かす会」は、この町屋の移築支援のための募金活動を行う会として発足しました。道路拡張で取り壊されることになっていた町屋を、ある専門学校が移築活用する計画を持ちましたが、資金面で困難との情報が伝えられ、これを市民の募金で支援するために作られた会でした。
 募金により建物は手作業で解体されました。解体中に町屋が明治中期の建物であるらしいことも明らかになりましたが、専門学校の方針変更で再建はなされませんでした。その後、一部建具などを除いて部材は当会に寄贈されて、現在にいたっています。
 この町屋はけっして特別な特徴を持つものでなく、むしろ明治中期の新潟の町屋(店部分を持たない専用住宅の町屋)の標準的な建物といっていいものと思われます。年代の近い旧小澤邸の町屋部分と間取りもうりふたつです。
 だからこそまた、私たちは当時の普通の新潟の生活空間を伝える貴重な遺伝子だと考え、移築支援に取り組んできました。しかし、そのような価値観がまだ一般に共有されていない現状がありました。町の固有の歴史への市民の関心をもっと高めて行くために、より幅広い活動を展開していこうとの趣旨で、2004 年に発足したのが当会でした。
 この町屋部材はですから、当会の初心の象徴であり、募金して下さった多くの市民の思いに応えて部材を生かすことが、前身の時代から引き継いだ一つの大きな目標でもあります。
 現在「町屋再生プロジェクト」という形で、この部材を生かした下町情報センター建設案を提示し、市民、行政へのアピールを行い、目標へ近づく努力を継続中です。会員の皆様のご理解とお力添えを、どうかよろしくお願いいたします。(大倉宏)


2006年5月27日(土)午後2 時から、砂丘館で本年度の年次総会を開催しました。参加者は世話人を除いて10名です。

2005 年度収支報告
収入の部
支出の部
会費    428,000
事業収入  057,700
助成金   090,000
寄附金   019,185
借入金   084,000




会議費     024,205
外注費     396,674
会報作成費   008,100
広報制作費   013,320
謝金      139,000
消耗品     026,128
資料作成費   032,169
駐車場代    001,500
通信費     105,315
払込手数料   098,000


収入合計   678,885 支出合計    756,211


2006 年度の活動の予定
■シンポジウム等
 ・10 月後半 町屋再生に関しての講演会を開催
  一 般の古い建物の所有者にも広く参加を呼びかける
■マップの作成等
 ・ 好評のMACHIYA MAP の増刷
■会報誌の発行
 ・ 今年度6 号.7 号発行予定
■登録文化財申請への協力
 ・ 登録文化財申請に関しての相談を随時受け付ける
■要望と提案
 ・ 萬代橋周辺のマンション建設に関して、引き続き、景観に考慮願えるよう
  「萬代橋ファンクラブ(仮称)」と協力して働きかける
 ・ 加賀田邸の保存活用が現実になるよう、引き続き関係各所に働きかける
■新潟町屋を活用した下町情報館建築の提案
 ・ 引き続き実現可能に向け関係各所に働きかける
 ・ 移築用保管部材のメンテナンスおよび管理
■県内まち作り系団体との連携
 ・ 新潟景観フォーラムに参加
 ・ 県内町並みネットワークへの参加
■県外団体との連携
 ・ 都立大OB 、都市と住宅を考える会、teku- teku 、が新潟でおこなう
   現地集会のサポート(7 月末〜8 月初旬)
 ・ 京都古材バンクの会主催再生建築研究集会新潟、佐渡のサポート(9 月17 日、18 日)
■前川國男建築展(於:新潟市美術館)へのボランティア協力
 ・7月15 日(土)、前川ゆかりの地、弘前の団体との座談会に参加予定

 
■ 会報バックナンバー ・・・vol. 1 / vol.2 / vol.3 / vol.4 / vol.5


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