20周年記念シンポジウム終了しました。
2004年8月4日に発足会の場でもあった旧第四銀行住吉町支店の会議室で開催された記念シンポジウムは、当会の20年の活動とその時期の新潟市の「歴史まちづくり」に関わる動きをふりかえるとともに、槇文彦事務所でアーバンデザイン部門を担当し、門司港の再生に関わり、欧米の旧市街再生の事例も長く見聞してきた中野恒明氏をお招きし、お話をお聞きしました。
郊外居住の進行で旧市街で空き家化した町屋=歴史的建造物を、行政が建築家の協力を得て、水回りや採光などを改修、一部減築もおこなうなどして風通しをよくし、暮らしやすい家に作り直し、車を制限して歩行者優先のまちづくりを進めたことで、歴史ある町に賑わいが戻ったボローニャ(イタリア)、チェスター、ヨーク(イギリス)などの例、また港が衰退し町の重心が水辺からはなれた事態を、水辺の倉庫を住宅にコンバージョンするなどして、水辺に戻したボストン(アメリカ)やコペンハーゲンのなどのビフォー・アフターが紹介されました。
商業地域にゾーニングされた新潟の旧市街では、商業的取り組みでの賑わい回復の努力はおこなわれてきましたが、賑わい回復の重要な鍵はやはり、歴史的建造物でもある空き家再生と利活用、ことに新たに住む人を呼び込む改修の工夫と、そのイニシャルコスト負担に関する「公的価値」を市民、議会、行政で話し合い見つけ出していく努力ではないかと認識できたのは有意義でした。
町並みゼミ新潟市大会でも発表した萬代橋周辺の高さ制限緩和に関連しての「萬代橋周辺のまちづくりガイドライン」の案も後半に発表させていただきました。会のホームページにも公表し意見を広く募集します。修整をさらに加えた最終案は、今後新潟市に提案する予定です。
会場からも様々な質問や意見がでての熱い20年目は、これからの会の活動の方向を考えるよい時間となりました。
2004年の発足会(写真:野内隆裕)